日本の鰻と中国の鰻の違い
■海外産か国産かの産地の分け方について
スーパー等で売られている鰻には、「国産」「鹿児島県産」「中国産」などといった産地の表記が必ずあるかと思います。
これらの産地が決まるタイミングは、鰻の場合、稚魚を水揚げした場所ではなく、養殖を行った場所によって決まります。
そのため、たとえ海外で水揚げされた稚魚のシラスウナギでも、日本に輸入し国内で育てて売れば国内産とうたうことができるのです。
■日本と中国の鰻の養殖法の違い
日本と中国の鰻の養殖法にはいくつか大きな違いがあります。
日本の養鰻場では、ビニールハウスをかぶせたプールのような養殖場で、水温を調整しながら育てることが一般的です。また、シラスウナギの大きさや成長具合によって、育てるプールを分けて育てることも特徴です(これを分養といいます)。
一方、中国では主に「路地池」と呼ばれる屋外の池でシラスウナギが育てられています。日本の鰻が6ヶ月~1年半ほどで出荷するのに対して、中国は2年~3年と倍以上の養殖期間になっています。そのためか、中国から輸入された鰻は大きなものが多いです。中国産の鰻は脂っこく、皮の弾力が強く、骨が気になるという特徴があります。
■中国産鰻の安全性について
中国産うなぎの安全性については、2005年にマラカイトグリーンという合成抗菌剤が検出された事件が過去にありました。
そのイメージから、いまだに中国産うなぎを忌避する方も多くいらっしゃいますが、事件以後、中国産うなぎの輸入には非常に厳しい検査が行われているようになっています。
現在では国内外の双方で検査を行い、養殖場や加工日などの履歴も確認できる仕組みになりました。地方自治体も抜き打ち検査を行うなどして、輸入うなぎの安全性は高くなってきていると言えるでしょう。ただ、やはり私たちが安心して召し上がれることができるのは国内で養殖している安全な鰻かと思います。