鰻はなぜ高級食材に?

鰻はなぜ高級食材になったのか?その歴史と経済関係

■鰻はいつから日本人の食卓に登場した?
鰻と日本人の関わりは非常に古く、古代から鰻は食材として利用されてきました。『日本書紀』では、7世紀になんと皇室へ鰻が献上された記録があります。その頃から鰻は珍重されていたことがわかります。

一方で鰻が庶民の食卓に広く登場するようになったのは、江戸時代以降とされています。特に都市部での人口増加に伴い、栄養価の高い鰻は大衆の間で人気を博すようになりました。江戸の庶民の間で流行した「うな丼」は、現代まで受け継がれています。

しかし、近年では環境問題や養殖技術の課題などから鰻の供給量が限られ、価格が高騰。それが鰻を「高級食材」へと変えてしまいました。これからは鰻を食卓に並べるためには、持続可能な養殖技術の開発が必要不可欠となるでしょう。
 

■江戸時代の鰻の価格 大衆の魚から高級食材への転換点
現在のようにウナギを蒲焼きにして食べるようになったのは江戸時代という記録が残っています。江戸時代のうなぎの蒲焼きは1皿200文ぐらいだったそうです。今の価格だと4000円前後となります。歴史をひもといてみると、江戸時代以降ウナギは一貫して高級品だったということが分かります。

鰻が庶民の日常食として親しまれていた時期は非常に短く、バブル期以降の20年ほどの短期的なブームだと言われています。その原因は、安価な養殖ウナギの蔓延によるものでした。

1980年代から台湾でも日本向けのウナギの養殖が盛んになり、台湾と日本合わせて8万トン程度のウナギが供給されていました。

この時期は比較的価格も安定していましたが、1990年代に入るとヨーロッパウナギのシラスを中国で養殖して日本向けに出荷するルートが確立されました。安価な養殖ヨーロッパウナギが大量に日本に流れ込んでしまった結果として、暴落と言ってもよいほどの価格の低下をもたらしたのです。
 

■鰻をめぐる環境問題と養殖の重要性
鰻は今も日本全国で愛されていますが、その鰻の養殖には環境問題や人手不足などの課題があるのが現状です。

日本人のうなぎの消費量は世界一です。今後うなぎを食べ続けていくためには、養殖の技術の発展や消費する側の態度にも責任が必要です。

日本の食文化に欠かせないうなぎの持続可能性を守るために、私たち一人一人ができることを考えていくことが大切です。

 

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